2014年4月8日

ティッシュ 自由 鼻に 詰め込んで

こどもの頃って、20歳前後のおにいさんおねえさんがすごく大人っぽくかっこよく見えたりしたよね。でも自分がこの歳になって思うのは、中身はあの頃と大差ないんじゃないかってこと。たぶん10年後も20年後もそう思ってる気がする。だから当然、年齢関係なくかっこいい人もそうじゃない人も世の中にはいるって、とっくに知ってるわけだけども。
小さいころ見たかっこいい大人で、今でも思い出す人がいる。

デパートで見た、ティッシュを鼻に詰めて歩いていたおねえさん。
「ティッシュを鼻に詰めて」というのは、鼻血が出たときによくやるあれなんだけど、その人は鼻に詰まりきらなかったティッシュが、ぼん!ぼん!って飛び出して、爆発しちゃってる。両方の穴から。

小学生だった自分は、それってありなの!?と衝撃を受けた。
だってなんかすごいはみ出ちゃってるよ?いろんなことが。

その人は母親らしき人と洋服売り場を颯爽と歩いていて、動くたびに、鼻に咲いたティッシュの花がひらひら、優雅に顔の前で揺れている。

あんなに大人っぽいおねえさんが、あんなにティッシュをはみ出させて…

おとなのおねえさんはそんなことするはずがないって思ってた自分は、そのおねえさんを見て混乱した。しかし同時に「かっこいい!」と感動したのだ。思い描いていたおねえさん像から大きくはみでていたその人は、なんだかいろんなことから自由であるように思えた。

時々あのおねえさんのようにはみ出しちゃってる人を見かけてうっとりする、結局自分はあの頃と何も変わっていない。

あんなふうになりたいなあ、と思う。